コーヒーの香りに包まれて

                                      株式会社ボンタイン珈琲本社 代表取締役副社長加藤あつこ

ボンタイン珈琲の歴史       

紅葉が一段と色を増す季節となりました。ホットコーヒーを飲むと心が落ち着きます。
 今月号からボンタイン珈琲の歴史を振り返りたいと思います。
 義理の父、創立者加藤秀信はとても優れた味覚の持ち主でした。野菜、果物、米、麦、水、口に入る物は何でも敏感な人でした。 加藤秀信は特にコーヒーの味には拘りがありましたが、妻のやすゑ(義理の母)はもっと優れた味覚の持ち主でした。
 それはさておき戦後昭和23年に加藤商店として珈琲焙煎(コーヒーロースター)として、命がけで商売をやり始めた加藤秀信はコーヒーを飲んで下さるお客さまに美味しいコーヒーをお届けしたい。この一念で必死に商売に取り組んだ人でした。母やすゑも身を粉にして働きました。
 コーヒーの生豆を仕入れるときにはカッピング(味を見ること)を行います。価格ではなく味重視で常に仕入れていました。納入した生豆を試飲したとき仕入れた味と同じでなければ返品する。味重視が徹底していたようです。これが後々仕入れ先に広まり、ボンタインにはいい加減な取引はできないと評判になったそうです。
ある日、取引先が数々のサルバドルやガテマラからのコーヒーはいかがですかと持ってきた商品の中に「おいしいぞ!」と思った味があったそうです。それがガテマラのコーヒーだったのです。
当時サルバドルやガテマラは日本ではまだコーヒーについてはたくさんのコーヒー消費国ではないので是非広めたいという国の方針もあり私たちの国に来訪して下さいというミッションがあり計画して行くことになりました。
 現地へ行く機会が1回、2回と行くうちにもう観光はいいから美味しいコーヒーの生産される農園を見せてくれとお願いし単独で商社の人と同行で巡り会えた農園がガテマラのチャカヤ農園でした。

創立者加藤秀信氏
コーヒーの花